cinkenzi

掌編小説

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タカシ 2

痛ぇぞ・・・

声が聞こえた。
タカシは振り向いた。誰もいない。
確かに人の声がした。気のせいか。
昨日は24をぶっ続けで見てしまったのでロクに寝ていない。
恐らく寝不足が原因で幻聴を聞いたのだろう。
早く24のシーズン3を見たい。早くジャックの暴走に共感したい。
ビデオ屋に向かって歩き出そうとしたとき、足元に違和感を感じた。
お気に入りのコンバースのスニーカー。
靴底に茶色い物体が付着していた。
どこかで犬のクソを踏んでしまったようだ。
道端のクソにも気づかない。まったくどうかしている。
舌打ちを繰り返しながら、こびり付いたクソを地面にこすり付けた。

あやまれ・・・

もう一度聞こえた。今度は幻聴じゃない。
はっきり、「あやまれ」と。 周囲には誰もいない。
数メートル後ろに潰れた犬のクソがひっそりと横たわっていた。
まさか!
タカシは潰れたクソに顔を近づけた。
どこから見ても、ただの潰れたクソだ。目も口もありゃしない。
しかしコイツしか考えられない。
「何があやまれだっ!クソッ!クソッ!」
タカシはメチャクチャにクソを踏みつけた。

ギャアアア・・・!!

クソが断末魔の叫びをあげた。やはりコイツか。
タカシは容赦しなかった。
「誰が誰にモノを言ったんだぁコラァ!!ああ?」
地面のクソに対しインステップキックを繰り出した。気分はベッカム。
紐の部分がクソだらけになった。
お次は空中に放り投げ、ヘディングと見せかけパンチ。
いわゆる神の手。気分はマラドーナ。
手がクソだらけになった。







「ママ、あのお兄ちゃん、なにしてるの?」
「見ちゃダメよ」



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